恋愛のいざこざを凝縮した青春漫画を読んだ

タイトルにも書いたが、質問箱という匿名質問サービスで【青のフラッグ】という恋愛ごとに関する男女間の様々な考えやいざこざを凝縮した漫画をお勧めされたので読んでみた感想をブログを書いてみる。

 

まず、1巻から3巻あたりまではなんともほほえましいというか「あるある、最初は違う人が好きだったけど協力してもらううちに相談に乗ってくれてた人をいつの間にか好きになるやつね。」と思っていたし、まあ実際おおまかな流れはそうなのである。

 

と、ここでこの漫画をお勧めしてくれた方のPR文をご紹介しておきます

「青のフラッグ、という漫画を読んでくれないだろうか、純粋に面白いからとかそれだけではなくてなんだろう、考え方というか、君の周りはそれには気づいていないだろうけど君がそれをちゃんと考えて行動していることを言語化されている、とでも言えばよろいいだろうか。とにかく、それを読んだ君の感想が見たい、それだけ。」

 

・・なんだそれは!?となるだろう。私自身、自分の考えを人に伝えるまあシンプルに言うと自分語りが好きなたちでツイッターでいろいろ発信しているので、この文をみて一瞬で「ああ、読もう」とならざるを得なかったのである。

 

本題に戻ります、上記したがまあ3巻くらいまではこれは面白い青春漫画だな~程度の認識だったのだが、4,5巻あたりで「お前が言っていたのはこれだな~~!!」と思う女性キャラが頭角を現すのである。

八木原マミと伊達真澄である。

 

ここで簡単に人物紹介。

・太一(主人公)

・二葉(ヒロイン、トーマが好きだったがかくしかで太一と付き合っている。)

・トーマ(主人公の幼馴染。高スぺイケメン 片思いの相手あり)

・真澄(二葉の親友。片思いの相手あり。)

・マミ(トーマのことが好きで、告白し振られ済み)

以上を参考に読んでいってほしい。

 

さて、マミと真澄の何が面白いって、この二人の性格と考え方は真逆。

マミはリア充グループで男女問わず友達がいて、クラスで騒がしくて美人でおしゃれ大好きなイケイケ女子。

一方真澄はノット社交的。美人ではあるが自分が認めた人としか話すのでさえ嫌。親友の二葉(ヒロイン)以外にはろくに心を開いていない女子。

 

本編のネタバレになるので詳細はあえて書かないが、いろいろあって二葉(ヒロイン)と太一(主人公)が付き合うことになった直後に少し前まで絡むどころかきつく当たっていた太一に対して仲良くなろうと接触を図ってくるマミに対して真澄が不信感を募らせ突っかかるところから、私に青のフラッグをお勧めしてきた方の真意がわかるのだ。

 

真澄はマミに対して、

「なぜ二葉と太一が付き合ったタイミングで太一に接触するのか」「二人の仲を裂こうとしているのか」「その真意はなんだ」と冷静に問い詰めるのである。

それに対してマミは、ひと呼吸おいた後に真澄に向って

「ばっかじゃね~の?」

と吐き捨てる。ここからが私の意見に沿う部分である。

『男女』で『友達』ってそんなに変かよ。そんなにありえない?男と女がいたらなんでも恋愛になっちゃうの?ちょっと長くいただけで、近く寄っただけで、人より会話しただけで恋だの何だの。ばっかじゃねーの。

ここは非常に共感できる。男友達も女友達も同じほどいる私からしてみれば、男友達と遊ぶたびに星の数ほどいわれてきた『あいつのこと好きなの?』というセリフ、正直ウンザリなのである。ここで真澄は

 

あんたは何か裏がありそうなだけよ。

 

とバッサリ切り捨てる真澄。真澄的に一番大事なのは二葉。その二葉が元々トーマを好きだったことでマミに邪険に扱われていたのを知っていて、疎ましい二葉の彼氏を奪うことでトーマに振り向いてもらえないストレスを発散しようとしているだけではないか。と言っているのだ。ここでマミの地雷を踏む。

 

生まれてこの方人の恋路をどうこうしようと思ったことなんかない。
下らない想像で他人の性格を決めつけてんじゃねえよ!
何系とか何キャラっぽいとか
誰々に似てるからこういう性格だろうとか
見た目から何々してそうだとか、勝手に思い込んでアタシの中身ネツゾーしてさ。
他人は他人。アタシはアタシ。

 

マミは美人で人懐っこい性格が災いして、嫉妬した級友からある事ないことで同性から攻撃を受け続け、それに疲れたマミは他人の意見に合わせ続けたのにも関わらず、自分も友達も傷つけられた過去がある。

過去の話までまるまる同じ経験をしたことがある私は、非常にマミの主張に共感する。

だが、上のセリフを聞いて真澄は

 

仕方ないわよ。それが『知恵』ってもんでしょ?そんなの経験や知識に基づいて予測し警戒し危険を回避、時には攻撃し排除する。本能に基づいた合理的な防衛策よ。生き物は「未知」を恐れ、知恵の有る者は既に知る物と近い物を当て嵌め分類し安全を測る。

 

と冷静かつ論理的に一蹴。マミは頭の方があまりよくないのでピンときていないが、自分の意見が否定されたことは分かるので、

 

だからイチャモン付けられても仕方ないってわけ?

 

と問う。それに対して、

 

攻撃されない様に対策する知恵も有る。

 

と返す。

私が紹介したかった流れはここである。

先ほどマミの意見に共感するといったが、それはあくまで『ただの共感』なのである。

意見はマミと同じであるが、私とマミの違いは、矢印の方向が『他人』か『自分』かというところ。

 

矢印が他人に向かっているマミの主張は一方的で、わがままだと感じないだろうか?

 

『私は男友達に同性の友達のように気軽に接したいしそう扱われたい。友達間で女男と区別したくないから私は性別で対応は分けない。でも男友達に男として扱われたいわけじゃない私は女だもん。だからみんな私のこと理解してね!』

 

なんとも自分勝手な意見である。自分のして欲しい事しか言っていない。共感はできるが同意はできない。なぜならマミは人には理解しろというわりに、自分は『男女の友情が理解できない人』の意見は理解しようとすらしていない。権利ばかり主張して義務を果たしていないように思える。

 

ここからがポイント。真澄の『攻撃されない様に対策する知恵も有る。』というセリフが、私の人生において重きをおいている部分であり、権利ばかりで義務を果たしていないという所の『義務』の部分である。

 

マミはオシャレに気を使うしメイクばっちりの美人。他人の視線なんか気にせず男友達とべたべたするし、その横でトーマにアタックしまくっているし、常に男友達に囲まれている。その光景をみて大多数の人間は

『あの子いつも男といるしノリよさそうだしトーマに好き好きいいながらほかの男ともベタベタしてるとか絶対遊んでる。』

 

的な事を思うであろうという事は容易に想像できないだろうか?私でも少し思う。

マミはそう思う人に対してバッカじゃねーのと一蹴し、自分のしたいことを貫いている。ならば、それに対しての意見や非難に対しても責任を持つものではないだろうか?

 

とまあここまでマミを批判するような内容を書いたが、一部かなり共感と同意ができる部分があったので書いておこう。

 

男も女も関係なく、友達になりたい相手に
一番の自分を見せるのは普通じゃないのか、
自分が一番良いと思う方法でコミュニケーション取るんじゃないの?

こういう事考える奴らって常に異性を意識して、
同性を蹴落とす事を考えているのかと思っていてそれが普通なの?
その考えが怖い。

という文がある。これについて前提として、

マミは生まれてから今まで可愛いのである。

顔が可愛いことも含めてマミ自身であり、もちろんコミュニケーションを取るうえで無自覚に武器として力が発揮される。少なからず可愛いからという理由でマミと友達になった男もいるだろう。だからこそ、一部の同性が黙っていない。一番の自分を見せるのが普通、という文があるが、ただでさえ人懐っこくて明るくて可愛いマミが、常に全力投球で男友達に絡みに行けば、その男のことが好きな女の子は立つ瀬がないだろう。マミは自分の武器であるはずの『容姿』によって、自分自身も傷つけられている。ここがマミと私で大きく違う部分であり、私の中の真澄要素が顔を見せる。

 

ここで唐突に自分語りを挟んでみてもいいだろうか。

ひんしゅくを買いそうなことをあえて言わせてもらうと、どうやら私は一般的に『可愛い』だとか『美人』といわれる顔の造形をしているらしい。

 

私はそのことに気づいたときに、自意識の塊のような考えに至った。

『可愛いという事は、同性に嫉妬されるという事か。』

今考えれば飛躍バカであるが、当時は真剣に悩んだ。

なぜなら、学生生活において『同性に嫌われる』という事は、すなわち『残りの学生生活の終わり』を意味するからだ。

可愛くても嫉妬されない・いじめられない立ち回りを真剣に考えた結果、私の脳に

可愛いのにおちゃらけていて男っ気がない、変顔や面白い話をしてくるひょうきんな女』という像が思い浮かんだ。

 

これはいける!!と思った日から私は恥とプライドをかなぐり捨てた。

人間というのは慣れる生き物である。それに考え方もやっていけば変わる。最初はなんでここまでしなきゃならんのだ。と外部を責めていた。自分のことばを用いると『矢印が他人を向いている』状態にあたる。

『ひょうきんな女』の役をやりたくもないのにをやらされているから辛いのだ、冷静に自らの利益だけを考えれば『ひょうきんな女』として立ち回るのが一番いいのでは?と考えることができるようになり、私がしたくてしているのだから自然に辛くなくなった。

それがさっきの逆、『矢印が自分を向いている』状態にあたる。

 

どれだけ目を逸らしても、気にしないですよといっても、世の中生きていくうえで常に『対:人』であり、人の視線からは逃げられない。この世の中には恐ろしいことに、恵まれない子供たち等に募金をする方々に親に与えられた自分だけの部屋でポテチをむさぼり鼻をほじりながら「偽善者!」といってのける人間も存在するのだ。

一般的に『いいこと』といわれる募金や寄付をしてもこの有様なんだから、一般的に『よくない』と思われている不特定多数の異性に囲まれてベタベタするなど、大批判を受けること確実だ。

 

ここで真澄の『攻撃されない様に対策する知恵も有る。』というのが私の人生において重要であり『義務』だと言っていたことがわかっただろうか?

私は同性に対して『可愛いが異性と話さないし興味もない』と自分があなたの恋のライバルにはなりえませんと行動で主張している。それによって私は様々なデメリットを被っている。だがその代わりに、『女子特有の男女絡みの泥沼の回避』や『友達の好きな人に好きになられたとしても私はなにもしてないと正々堂々言い張れる実績』を手に入れている。

分かりやすく言うと、現在税金を納めて、将来年金として返ってくるというようなシステムだ。

 

あなたは税金を納めてないのに年金は欲しい!!!と目の前で人が駄々をこねていたら、ついこう言いたくはならないだろうか。

『ばっかじゃねぇーの?』

 

・・とまあ長く語ってしまったが、私は『可愛いのにおちゃらけていて男っ気がない、変顔や面白い話をしてくるひょうきんな女』という人物像に自分を当て込んで過ごしていたおかげで、学生時代は異性の友達は皆無だが同性の友達には恵まれ、『可愛いのに面白い』と最高の評価を得られるようになったのである。

 

まあそれは学生時代のみの話で、私は今男女分け隔てなく友達付き合いをしているしそれが楽しくてしょうがない。男友達とばかり遊ぶことで他人になにを言われても、私は『文句言われない代わりに友達付き合いやめる』と『文句をいわれても友達付き合いをする』を天秤にかけ、今日も元気に男友達と遊ぶのだ。

 

 

 

最後に。かなり長くなったが、私が以前キャス等で話した内容が二人の女の子に分裂して、そのままピックアップされたかのような話だなというのが私の感想だ。読んでほしくて紹介してくれた匿名の方、当方青のフラッグを読みながら一人激論会を開いてかなり楽しませてもらいました。

またおすすめがあったらみんなも勧めてくれよなっ!

 

漫画内のセリフを用いて感想と分析を述べてみた回でした。